福祉住環境コーディネーターの住環境整備の流れ

福祉住環境コーディネーターは、住環境整備をどのように進めていくのでしょうか。

 

住環境整備は、5段階に大きく分けてすすめていきます。

 

(1) 問題の抽出をする

 

高齢者やその家族から相談を受けたら、
問題となっていることは何なのか、
そのニーズを的確に把握する事が必要です。

 

ニーズを的確に把握し、対応方針を整理します。

 

そして、関連職種のコーディネイトを行います。

 

生命維持に関わる住宅内の危険箇所の整備については、
誰もが必要性について理解することができますが、
自立した生活や、日常生活の不便さを取り除くための住宅環境整備に関しては、
本人が気が付かないような小さなものも少なくありません。

 

自分の身体的理由が原因だと捉えていると、
住宅の環境との不適合に原因があると気が付かない事が多いのです。

 

ですから、福祉住環境コーディネーターは、
このように隠れた問題点の発見も含め、
高齢者等が自立した生活を送るために
必要なニーズを的確に把握することが必要になってきます。

 

その上で対応方針を整理し、
関連職種のコーディネートをしていきますが、
この段階の「問題の抽出」は、
住環境整備の原点ともいう事ができます。

 

さて、問題の抽出に当たっては、
チェックシートを利用する事が有効です。

 

福祉住環境整備の主なチェック項目は以下のとおりです。

 

チェックシートばかりに頼ると、
チェックシートの項目にない問題点もあるため、
項目にない問題点も見出せるように心がける事が必要ですが、
こうしたチェックシートがあると
問題の抽出にはとても便利です。

 

<福祉住環境整備の主なチェック項目>

 

基本事項

 

氏名、性別、年齢、住所など

 

身体状況と日常生活動作

 

身体障害の有無・状況、要介護度、健康状態など

 

現在の日常生活動作

 

歩行、階段の上がり下り、ベッドからの起き上がりなどの移動動作

 

便器への着座や排便後の後始末などの排泄動作

 

浴室の出入り、衣服の着脱、浴槽内への移乗などの入浴動作

 

福祉用具の使用・使用予定

 

車いす、特殊寝台、歩行器、歩行捕助杖、入浴捕助用具などの使用をしているか、使用の予定はあるか

 

在宅サービスの利用・利用予定

 

ホームヘルプ、デイサービス、訪問入浴、訪問看護などを利用しているか、利用の予定はあるか

 

家族状況

 

家族の続柄、年齢、職業など

 

主な介助者や補助的な介助者を確認します

 

住宅状況

 

所有形態は、持ち家か賃貸か

 

建築形態は、一戸建てか集合住宅か

 

主要構造は、木造か木造以外か

 

改修希望場所や内容

 

玄関や居室、浴室、トイレ、台所など部屋別、場所別にチェックします

 

(2) 住環境整備方針を検討する

 

高齢者の身体機能を評価、
ADLの評価、福祉サービスの活用範囲を検討をし、
生活目標を十分に把握した上で、
住環境整備の範囲を検討していきます。

 

関係者の話の進行や調整を行い、
方針を進めたり、必要機関との連絡調整を行います。

 

住環境整備方針は、以下の4つに大きく分けます。

 

福祉住環境コーディネーターは、
高齢者や障害者の身体機能状態・家族関係や、
建築条件、経済状態などを総合的に判断し、
以下の@〜C野仲から適切な住環境整備の方針を決定します。

 

@ 模様替え

 

・家具を移動して介助スペースを確保する。
・畳の上にカーペットを敷き詰める。
・浴室にすのこを敷く

 

など、模様替えで解決することができる住環境整備

 

A 福祉用具の活用

 

・車いすや杖を使用する
・便器に簡易手すり(取り外し可能)を取り付ける
・ドアノブに自助具を取り付ける
・シャワーイスを利用する
・浴槽に簡易手すりを取り付ける

 

など、福祉用具の活用で解決することができる住環境整備

 

B 住宅改造(改修)

 

・段差にスロープを取り付ける
・和式便器を様式便器に取り替える
・床面の段差をなくす
・ドアノブをレバーハンドルに取り替える

 

など、住宅改造(改修)で解決することができる住環境整備

 

C 福祉用具の活用と住宅改造の併用

 

・車いすが使用できるように床面の段差を解消する
・車いすが使用できるように浴室を改装する&入浴用昇降装置を用いる

 

など、福祉用具の活用と住宅改造の併用で解決することができる住環境整備

 

 

住環境整備は、このように大きく分けると4つあります。

 

原則的に、@Aは、工事を伴わない住環境整備で、
BCは、工事を伴う住環境整備です。

 

介護保険制度の給付が関係する場合は、
ケアマネジャーとの連絡調整も必要です。

 

また、福祉住環境コーディネーターは、
他の施策を活用する場合は、
役所への手続きを代行したりします。

 

 

(3) 施工の実施

 

住環境整備方針通りに、住環境整備(施工)を実施します。

 

施工は、住環境整備の方針を本人と家族が了解した後に開始します。

 

工事中でも本人や家族から中途変更の要望が出されたり、
施工者から工事内容について質問される事などがあります。

 

また、図面どおりに工事されているかをチェックしたり、
施工段階で発生した問題を関係者に連絡し、
指示を調整します。

 

(4) 完成後のチェック

 

住環境整備方針通りに、住環境整備が行われているか、
工事完成後のチェックをします。

 

ご本人や介助者に、実際に生活活動を行ってもらい、
住環境整備方針通りの成果が得られるかどうかについても確認をします。

 

問題があれば、対応方針を検討します。

 

(5) フォローアップ

 

工事が終了した後も、住宅環境整備が役に立っているかを、
電話や訪問調査を行い、継続的に確認し、
不整合が生じたときの対応や調整を行います。

 

また、身体機能の変化や家族構成の変化についても確認します。

 

環境との不適合が生じた場合は、
関係者と新たな善後作を講じることが必要です。